ようやく人生初めての海外旅行が始まる。昨日の荷物をまとめてる段階から徐々にテンションは上がってきていたが、いざ出発する日となるとけっこう冷静なもんだ。
朝の八時前に家を出て、九時過ぎには関空に着いた。集合時間が九時半なので、まだちょっと時間がありそうだ。空港に着くと、大きな荷物を持ったカップルがそっこうでチュッチュやってやがった。しかもよく見ると日本人じゃねーか、朝からやだやだ。たぶん新婚旅行だろう、年齢的にそんなもんだ。いいな結婚、そしてハネムーン。向こうでもチュッチュやりまくって、ほんで海外旅行でお互いの嫌な部分が見えたりするんだ、たぶんきっとそうだ。

受付カウンターに着いたら、もうけっこうな人数が集まっていた。僕らが今回参加するツアーは添乗員付きでホテルと飯がしっかり付いてくる、オトコが行く海外旅行としてはけっこう軟派なもんだ。でも僕は海外が初めてだったし(一緒に行く連れは何度か一人海外を経験している)、何よりイタリア7泊8日で料金が12万9千円という、その安さに惹かれたんだ。
そのせいあってか、カウンターの集まっているほとんどが卒業旅行と思われる学生で、しかも女の子ばっかだ。連れが集合時間より少し遅れて到着し、僕らも受付を済ます。そこで初めて全員が集合して添乗員さんからの挨拶があったが、今回ツアーに参加する人数は全部で41人。おばちゃん団体が4人。一人で参加している学生じゃない人が男性2人、女性2人。あとの33人は全員学生だ。男は僕らを合わして全部で8人。学生なのは僕らともう一つのグループだけだ。

そうこうして、人生で3回目の飛行機に乗り込んだ。しかも今回は関空からウィーンを経由して、ミラノ空港に着くまで13時間も飛行機に乗らなくちゃいけない。うげぇ。けっこうしんどいぞこりゃ。
飛行機の中は思っていたより暇やった。期待していた映画は本当に訳のわからんものしかなかったし、ゲームはパソコンに付いてるようなソリティアとかバックギャモンとか、あとパックマンもどきのへんてこゲームだけだった。しばらくすると、機内食が出てきた。人生初の機内食、カモンカモン〜。僕はチキンを頼んだ。「チキンプリーズ!」と元気よく言ってやった。お味はまぁまぁだ、サラダに得たいの知れない変な食い物が入ってあって吹きだしそうになったが、まぁ宇宙食みたいなもんだった。

機内からの風景も最初はテンション上がって見ていたが、そのうち雲しか見えなくなって飽きたので、連れといろんな話しをした。一番盛り上がって議論したのが「結婚観」、広い意味では恋愛観みたいなものをかなりの時間議論した。僕は25〜27歳くらいで普通に結婚して子供とキャッチボールして、、みたいな理想を描いているんやけど、連れは真逆の考え方で「40歳まで遊んで、そして18の女の子と結婚する」みたいな考えだった。僕にとってはまったく意味がわからんかったし、連れも27で結婚する僕のことを全く理解しがたい感じだった。
そのあと議論は恋愛に関することで話しが進んだが。僕の考えはどーも変なようだ、いろんな箇所を指摘された。最近少し彼女と言い合いになったりしたんやけど、悪いのはやっぱり自分にあるみたいで、けっこう反省した。一つのことについて「自分それって病気やで」とか言われて、けっこう凹んだ。初海外の初日なのに、いきなし凹まされた。まぁ自分が悪いならしゃないか。いや、悪いのか?たぶん悪いんだろう・・あまり束縛はしないようにと。。
それからウィーンを経由して13時間後、やっとミラノ空港に到着した。スーツケースが出てくるベルトコンベアの前でいると、こっちの空港は日本と違って「それスーツケース壊れるやん!?」とか本気で言いたくなるくらい吹きだし口に勢いがあって、ビビッた。てか壊れた車輪がずっとコンベアを回っていたりもした。やっと出てきた自分のスーツケースを見ると、昨日買ったばっかやのに、すでに傷だらけだった。傷だらけのローラ。そしてここで最初のイタリア的洗礼を受けた。係りのおっさんがツアーの女の子のスーツケースをどっかにやっちゃったらしく、どこにやったか、そのおっさん自体分からなくなってしまったみたいだ。その子と添乗員さん以外は、ホテル行きのバスでボーっとしていた。少したってその女の子もバスにやってきた。どうやら発見されたみたい、良かった良かった。
初めての海外ホテルは予想以上に良かった。四ツ星やったのでアメニティも揃っていたし、しかもツインやった。東横みたいなセミダブル形式と思っていたので、よかった。ただ、こっちは水周りが非常に弱い。水とお湯の割合を調節できる日本タイプではなく、日本の洗面台でよく見かける一つの取っ手を右にすれば水だし、左にすればお湯、タイプだった。しかもシャワーに勢いはなくお湯があまり出ない。でもまだこのホテルはましだった。最低四つ星ホテルなりの、限界ラインは守っているみたいだ。とにかく使いずらい狭い部屋みたなとこでシャワーを浴びて、なが〜い一日目が終わった。
そして夜は何回も起きた。完全な時差ボケさん状態になった。今から考えれば、外国のサッカー選手が、試合前日とかに来て、本領を発揮できず終わっていくのは仕方がないだろ、と納得できる。それまで自分は時差ボケなんて経験したことなかったから、時差ボケがこんなに辛く、ウザく、そしてだるいもんだとは知る由もなかった。
明日からの観光に胸を膨らませながら、がんばって眠ることに。。