自分が自分でなくなる恐怖。

変身 (講談社文庫)

変身 (講談社文庫)

平凡な青年・成瀬純一が不慮の事故によって死の淵をさまよい、世界初の成人脳移植を受けた。画家を夢見て、優しい恋人を愛していた主人公は、脳移植によって、除々に前の脳の人格に支配されていく。そんな自己崩壊の恐怖を描いた物語です。


上の簡単な紹介文そのまんまです。特にラストに、東野さんらしい急展開があるわけではなく、本当に”除々に”自己崩壊されていく様が描かれているだけです。
それでも、主人公の人格が変わるにつれて文章も凄みを増し、最後の方では、およそ人間的とは思えない行動もしています。

物語の中では、もちろん前の脳の持ち主ついても触れられていますが、少なく見積もっても、純一くんは壊れすぎではないのかな、、と思いました。


そんなやつおらんやろー、って感じです。