容疑者Ｘの献身

容疑者Xの献身

元ホステスで、現在は弁当屋で働いている花岡靖子は、しつこく付きまとってくる元夫の富樫を、思いがけず自分の玄関先で殺してしまう。それに気付いた隣人の数学教師で、秘かに靖子に想いを寄せる石神は、富樫の死体処理いっさいを自分に任せてくれと靖子に話す。そしてこの事件を追うことになった、草薙刑事と、石神とは旧友で物理学者の湯川教授。石神は、どのように死体を処理し、花岡母娘のアリバイを作ったのか！？

悲しいです。
非常に悲しい物語でした。

帯にある、

「これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。
いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。」

という、一文そのままやと思います。

ミステリーというより、純愛小説でしょう。「白夜行」と、根底で一緒なのかもしれません。

男性が読むのと、女性が読むのとでは、少し感じ方に違いが出る様な気もします。
僕としては、石神に見事にはまってしまったので、最後のシーンでは胸にくるものがありました。途中、靖子の言動にむかむかした僕は、いけない子なのでしょうか・・・