地下鉄(メトロ)に乗って


地下鉄に乗って (講談社文庫)

地下鉄に乗って (講談社文庫)


主人公の小沼真次は子ども時代、地下鉄丸の内線の「新中野」に住んでいた。かつて激高した父親と口論をした高校生の長兄が、地下鉄に飛び込んで死んだのもここである。兄が亡くなった命日に、真次は赤坂見附の駅からふいに壁に吸い込まれると、そこには昭和39年の新中野の商店街が広がっていた。30年前にタイムスリップしたこの出来事を皮切りに、何度も、場所も時間も別々のところへタイムスリップしまう。
また時を同じくして、真次の不倫相手であるみち子も、同じような体験をしていた。過去で出会う若かった頃の父親の姿。父親が置かれていた境遇。なぜ、真次とみち子は、同じような経験をするのか!?タイムスリップから導かれるものは。。



よく考えれば、初めての浅田次郎。こんなに有名なのにね。
読み終わった感想としては、「よくできた話しだな」という感じ。タイムスリップも、ある決まり事があって過去にいくのではなく、何か知らんけど気付いたら過去に遡ってたと、いうレベル。しかもそこには不倫相手まで登場してしまうんやから、都合が良すぎるでしょ。最後に明かされる事実にはやっぱり驚かされたけど、あまりに絵空事すぎて、「これは血を巡る話しである」とか言われても、ちょっと困ってしまうかも。。。


やっぱり、リアリティーがある小説の方が好きみたい。