今日はベネチアの観光だ。イタリアはこの時期あんまり晴れの日が多くないらしく、また今年は大寒波が訪れているので、曇りの日が多いんやろうなと思っていた。しかし本日は見事に快晴だった。ほんと雲一つないぐらい。添乗員さん曰く、「私は10年くらいこの仕事をやってるけど、一番の天気」だそうで。ベネチアは島みたいなものになっていて、日本の関西で言えばだいたい淡路島の感覚だ。列車で行くこともできるが、僕らはフェリーで行った。フェリーで1時間ぐらい、けっこうかかった。
ベネチアの一番の見所は、そう「サン・マルコ広場」と「サン・マルコ寺院」だ。高校の時に世界史の授業を取っていた人も取っていなかった人も一度は聞いたことあるだろう。フェリーに乗っている時から確認できていたが、ベネチアに到着してそれらを見た時はさすがに感動した。なんちゅーか、ほんまに世界史の資料集そのまんまの感じで、スッげー興奮した。イタリアでよく使われる「サン」とは、「聖人」を表す言葉だ。「ミスター」「ミセス」みたいな感じで。だから「サン・マルコ」とは「聖人マルコさん」という意味らしい。イタリアでは普通の人の名前に「マルコ」や「パウロ」や「ヨハン」みたいな聖人の名前が使われていることが非常に多い。ここらへんはやっぱキリスト教のお国だなぁと思った。
サン・マルコ寺院」の中は、本当に厳粛な空気が流れていて、なぜか男性は脱帽・リュックはダメ、という感じだった。そして寺院の前に大きく広がるのが「サン・マルコ広場」だ。「サン・マルコ広場」は11世紀頃に建設が始まり16世紀になって今の形に整備されたのこと。あのナポレオンに「世界で最も美しい空間」と言わしめたほどだ。そしてその「世界で一番美しい空間」の現在は、、「ただのハト広場だった」。いや違う。「ハトに占拠された広場」だった。異常なまでにハトがいた。僕の連れも、ここに来るまではハトに対して何も考えていなかったが、何度もハト軍団の一斉突撃、すなわちハトクラッシュを食らううちに、最後は悪意だけを抱いて帰ることになった。そんなハトだ。だから広間の真ん中を通ることはほぼ不可能だった。だって広場の7割ぐらいにハトが、ポッポちゃんしてるんだもん。
それからベネチアグラスの工場とそれを展示しているところに行った。ベネチアグラスってすっごい硬いのよ。日本語が流暢な係りの人が、机におもいっきいグラスを打ち付けても全然割れなかった。ちょっとびっくり。日本の伝統工芸みたいな感じで、いろんな動物もガラスから作られていた。今では数人の職人さんしかいないらしく、そのうち一人がガラスから「馬」を作るところを実演してくれたが、あまりにうまかったので見取れてしまった。ベネチアグラスの一番高いセットとかだと、それこそ何十万・何百万とするのもあった。もちろん買えないので、いっぱいお触りして写真撮ってきた。それから少しの自由行動のあとベネチアでのメインイベント「ゴンドラ」に乗り込むことに。
よく言われるようにベネチアは「水の都」だ。毎年何度か洪水が襲ってきて、そのたびに膝下ぐらいまで水がきちゃうような街、それがベネチアだ。だから建物の間を何本もの水路が入り組んで流れていて、それが全部海に通じている。そしてその水路をゴンドラで遊覧することができる。添乗員さんの話しによるとゴンドラのおっちゃん達は、ここ一週間ぐらいストライキを行っているらしく(イタリアではよくストがあるのです。僕らのツアーも22日成田発のグループは、イタリアの空港職員か何かがストに突入したので、キャンセルになったとか。それはしゃれにならんだろ)、もしかしたらゴンドラに乗れないだろうと言われていた。でもおっちゃん達は僕らの日程に合わせるようにストを辞めてくれた。やるなーおっちゃん。実際ゴンドラの船尾に立って、僕らの小さな命を預かる番長たちは、まったく「ほんとにストなんてあったの」みたいな感じでみんな笑顔で働いていた。何か不満があるんかい、あんたら。そして、ゴンドラの景色は予想以上に感動的だった。天気が快晴なのもあるかもしれない。でも僕は終始「すっげー、すっげー!」を連発していた。非常に楽しかった、ゴンドラ。
そこから小一時間自由行動。サン・マルコ広場にあるでっかい塔の最上階まで上ることに。6ユーロ払ったら上まで見れるんやけど、6ユーロって言うたら日本で900円。よくよく考えたらけっこう高いよね。ただ塔の最上階までエレベーター使って上っていくだけやのに。。ただ旅行中はそんなこと考えてないので、もち上ることに。上からの景色はね、絶景やったよ。ベネチアの街並みが基本的に全部見えたし!ヨーロッパの街並みってレンガ建てやし、上から見たらすっげー映えるんよね。日本やとマンションばっかやけど、こっちは「平屋」ばっかやからね。滞在時間15分くらいで塔からは降りることに。そこからベネチアの街並みを探検しようっちゅーことになって、連れと二人で下町みたいなところを地図も見ないでどんどん歩いていく。集合時間も近くなっているのに、適当に歩いていると結局のところ迷ってしまった。加えて連れがたまたま購入したサンドイッチみたいなものが、頼んだあと一度オーブンで焼いてくれるみたいなんやけど、陽気なイタリア人はしゃべって仕事しやがれへんので、非常に遅くなった。追い討ちをかけるかのごとく、そのサンドイッチにはツナがびっしり入っていて、連れはこいつのせいで腹を壊した。旅行中このサンドイッチは「ツナ爆弾」と呼ばれ、忌み嫌われたとさ。とかそんな流暢なこと言ってる場合じゃなく、真剣に迷子になった。来る時には絶対通ってないであろうでかい運河も出てきた。集合時間まで15分くらいになったのでさすがにやばいと思い、そこら辺にいた日本人に「サン・マルコ広場ってどこですか????」と聞いた。それじゃ上にぶら下がってる看板に従って行けとのこと。よー見たらそんなんあったなぁ。とか考える間もなく走りまくった。とにかくラスト10分ずっと必死で走ってようやく間に合った、良かった良かった。
今日の昼はベネチアからフィレンツェへのバス移動だけである。なのでいい天気なのにぼーっとしてるだけ。時差ボケもまだ解消していないので、とりあえず寝る寝る寝る。。。晩飯は昨日食べたのと同じようなトマトソースのパスタと「トスカーナ風ステーキ」。出た!また「〜風」だ。僕が食べる限りは、極めて普通のステーキだった。どこが「トスカーナ風」なんかはシェフしか知らないわけで。こっちのパスタは、日本みたいなスタンダードなパスタではなくマカロニみたいなんが多い。今回もそれだった。そしてこいつはあまりうまくない。早く麺状のもんが食いてーよ。てかステーキと一緒に出てきたポテトを茹でて、ぐっちゃり潰して、厨房の中で新米シェフ同士がキャッチボールして遊んだ挙句、レンジでチンしちゃったみたいな、あの食い物はなんだ?二人で「ポテト爆弾」と名付けたものの、あれを全部食ったやつはすげーぞ。
そんなわけで、今日も一日が終了。シャワーは普通だった。やっぱり今日はベネチアでのゴンドラでしょう、うん。一番左下の写真、我ながらけっこううまく撮れてるな、逆光だけど。