月の光
- 作者: 花村萬月
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/06/07
- メディア: 文庫
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排気量2000ccの改造バイクを愛する売れない物書きのジョー。新興宗教団体に麻薬で縛られた知人を助けるため、絶世の美女にして空手の有段者である律子とともに、東京から丹後半島までバイクで駆け抜け、教祖と対峙する。性と麻薬と宗教を描いた長篇ハードボイルド物語です。
引き続いて、花村萬月。いつものパターンと思いながらも、とにかく読んでみる。
教団に乗り込んでからの物語をもっとしっかりと書いてほしかったのにな。バイクの旅に出てからは、加速度的に面白くなり、本にのめり込んでしまったが、それまでは退屈としか言いようがなかったっす。これはジョーの物語であり、ある意味、律子の物語ですから、ジョーが女を買うようなところをウダウダ書かなくてもいいのでは、と思いました。
ハーレーバイクの名前が「ハッカイ」っていうのは、なんかいいですよね。豚のハッカイ!
そういえば、花村萬月の作品って、今回のハーレーバイクに関する描写や、他の作品での音楽やギターに関する描写など、読んでいて「どうしてそこまでうまく書けるの!?」と叫びたくなる所がありますよね、こういう所すごい好きです。