let my people go surfing

創業以来、ずっと企業の責任とは何かという課題と格闘してきた。ビジネスとは実のところ誰に対して責任があるのかということに悩み、それが株主でも、顧客でも、あるいは社員でもないという結論にようやく達した。ビジネスは(地球)資源に対して責任がある。健康な地球がなければ、株主も、顧客も、社員も存在しない。

                        −イヴォン・シュイナード− あとがきより



パタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナードが、パタゴニアの使命について語った本。経営者なら誰しもが悩むとされる、「企業とは誰のものか」という禅問答について、まったく違う視点からの回答を行っている。


「経営論」だというが、これはどの会社に充当できるものでは決してないと思う。何せ仕事時間は自由に設定できるし、それこそ本の表題どおり、いい波がきたらサーフィンにだって行っていいらしい。(ちなみに日本の支店は、鎌倉にあるそうな。本当にサーフィンに行く人は、あまりいないらしいが)


ただ、自分の勤めている会社、もっとミクロでいえば自分の経理の部署や、担当チームでも置き換えることができるのは、パタゴニアという会社が「経営理念」というものを非常に細かく定めていて、それこそ「製造」「品質」「販売」「財務」全ての面で、企業行動の指針があることで、向かうべき道を明確に示していることだと思う。


日本の企業で、ここまでの品質を追求し続ける企業何てあるのだろうか。財務の面でもここまで環境コストを原価の仕組に組み込んで、企業の行動意志を決定している企業があるのだろうか。自分の会社が到底太刀打ちできないな、と想いながらも、非常にわくわくしながら読まさせていただきました。


この本を初めて読んで知ったのだがパタゴニアは、売上高の1%を環境財団に寄付しているらしい。すごいことだよね。でもその凄さが、本当に環境のことを考え、経営理念に基づいて行っている行為だという事も、読んでいて非常に納得できた。




社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論